訪問看護とは

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訪問看護とは、在宅で療養をおこなっている方とそのご家族を、看護スタッフが訪問して支援するサービスのことです。病気や障がいがあっても、住みなれた自宅で暮らしたいと望むのは、当たり前のことでしょう。しかし「ご家族だけで対応ができるだろうか」「ひとり暮らしが続けられるか?」など不安に思うことも多いかもしれません。
訪問看護は、地域で生活する赤ちゃんから高齢者まですべての年代の方に、医療的なケアや支援をおこなう、頼りになるサービスなのです。

訪問看護で受けられるサービス内容

看護職やリハビリ職が、地域の訪問看護事業所からご利用者の暮らす場所へ出向いて、医療的ケアを提供します。 訪問看護でおこなえる具体的なサービス内容は、次の11になります。

療養上のアドバイスやメンタル面のケアに関しては、ご利用者だけでなくご家族に対しても同様に支援をおこないます。ご利用者の生活環境を整えるためにも、介護するご家族の支援は重要な業務です。看護や介護の正しい技術を伝えたり、医療機関での診察や検査の結果をわかりやすく説明するケアもおこないます。
一般的な「看護」としての役割以外にも、在宅でのリハビリテーションも訪問看護でおこなうことが可能です。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職によって、自宅での生活動作の訓練や助言をおこないます。

訪問看護の対象者は「訪問看護を必要とする方全員」

訪問看護の対象者は、他の介護サービスのように高齢者だけに限定されているわけではありません。子どもから大人まで、症状や障がいの重さにかかわらず、訪問看護を必要とするすべての人が対象となります。

訪問看護スタッフは「看護職」

看護職
上の表にある職種のスタッフがご利用者の暮らす場所を訪問し、医療的ケアを提供します。訪問看護の目的は、ご利用者の自立支援とその人の尊厳を守りながら療養生活を支援することです。
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訪問看護と在宅看護の違い

訪問看護と在宅看護は言葉こそ似ていますが、その中身は大きく違います。 在宅看護とは、自宅療養が可能になったご利用者を、病院ではなく自宅でご家族によってケアするものです。慢性的な病気や、自宅でのコントロールが可能になった疾患では、住み慣れた自宅で落ち着いて療養することが効果的といえます。 一方訪問看護は、自宅にいながら専門スタッフによる医療行為が受けられるサービスです。医師の指導にもとづいて、療養上の世話や医療処置をおこないます。 訪問看護のメリットは、自宅にいながら健康状態のチェックや、インスリン注射や褥そう処置等の医療行為が受けられるところです。ケースによっては、理学療法士や作業療法士などがリハビリテーションを行うこともあります。

訪問看護のサービス時間

訪問看護のサービス時間は、介護保険と医療保険によって違いがあります。共通しているのは、サービス時間の長さによって料金が定められていることです。 それぞれのサービス時間の区分について説明します。

【介護保険の場合】20分・30分・1時間・1時間半の4区分

介護保険の場合は、訪問時間により4つの区分に分かれています。
(※)20分未満でリハビリ職の訪問は区分が異なる 訪問時間は、ケアマネジャーの作成するケアプランにおいて、定められた必要な支援をおこなうための所用時間です。

【医療保険の場合】1回30分〜1時間半程度(例外あり)

医療保険の場合は原則として、訪問は1日1回で週3回まで、時間は基本的に1回30分~1時間半程度と定められています。
しかし厚生労働大臣の定める疾病等と、特別訪問看護指示期間内のご利用者に限っては、毎日かつ1日複数回の訪問が可能です。この場合の例外として、1時間半を超える訪問も可能となっています。

訪問看護の訪問回数

訪問看護の訪問回数は、ご利用者の状態に応じて変化します。介護保険のサービスを受ける場合には、ケアマネジャーがあらかじめケアプランを作成し、それに準じた訪問が行われます。在宅で訪問看護サービスを受ける方は、他の介護サービスを併用している方も多いため、実際の訪問回数は週1~2回程度になるかもしれません。 医療保険の訪問看護を受ける場合は、週1~3回の訪問となります。ただし厚生労働大臣が認める疾病等の患者は週4回以上の利用が可能になります。また特別訪問看護指示書が発行された場合は最長で14日連続の訪問も可能です。詳しい内容は、主治医やケアマネジャー、訪問看護事業所に確認しましょう。